生成AIの導入に使える補助金は?代表的な制度と、研修費用の扱い・申請の注意点

この記事の要点
- 「AI助成金」「生成AI補助金」という名前の国の制度はありません。ツールの導入は補助金で、研修は助成金で見ます。
- ツールの導入で中心になるのは、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)です。使える費用、補助率、締切は、この補助金の記事にまとめています。
- 研修の費用は、厚生労働省の人材開発支援助成金で見ます。どちらも後払いで、始める前の手続きが要ります。
生成AIの導入や研修に公的なお金を使いたい中小企業の方に向けて、候補になる制度と、費用の分け方を整理します。2026年10月時点で、中小企業が生成AIの導入や研修に使う国の制度として確認できたのは、次の2種類です。ITツールの導入を支える補助金と、社員の訓練を支える助成金です。
この記事の内容は2026年10月時点のものです。補助率、上限額、締切は、年度や公募回で変わります。
AIに使える助成金と補助金は2種類ある
公的なお金は、何の費用に充てるかで窓口が分かれます。生成AIのツールを入れる費用は補助金、社員が使えるようになるための研修の費用は助成金です。
図1 補助金と助成金の対象の違い
ツールの導入
社員の研修
ツールの費用と研修の費用は、別の制度で見ます。
表1 補助金と助成金の違い
| 項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 主な所管 | 経済産業省・中小企業庁・自治体など | 厚生労働省(雇用・人材系)など |
| 採否 | 公募・審査があり、要件を満たしても採択されないことがある | 要件を満たしているかの審査。受給が保証されるわけではない |
| 受け取り方 | 後払い(交付決定後に実施し、実績報告のあとで支払い) | 後払い(計画どおり実施したあとに支給申請) |
| 生成AIとの関係 | ツール・システムの導入 | 研修による人材育成 |
出どころ・受け取る人・申請時期の違いはリスキリングの補助金と助成金の違いでも整理しています。
デジタル化・AI導入補助金(ツールの導入)
中小企業・小規模事業者等がITツールを導入する費用の一部を、国が補助する制度です。以前はIT導入補助金という名前でした。対象になるのは、事務局に登録されたITツールの費用で、AIを含むツールの導入も支援の対象に入っています。生成AIの導入と研修に使える費用、補助率、締切はデジタル化・AI導入補助金の記事にまとめています。
人材開発支援助成金(研修)
社員が自分の業務に生成AIを使えるようになるための研修は、厚生労働省の人材開発支援助成金で見ます。事業展開等リスキリング支援コースの場合、中小企業の経費助成率は75%です。実訓練時間10時間以上、訓練開始日の6か月前から1か月前までの計画届などの要件があります。令和8年8月3日以降に提出する計画届からは、特定の業務への適用を伴わない汎用的な内容は対象外とされました(経過措置あり)。このコースは令和8年度末までの時限措置です。
助成率、期限、対象になる研修の条件はAI研修の助成金に、コースの選び分けは人材開発支援助成金の全体像にまとめています。
何の費用をどの制度で見るかを、最初に分ける
同じ経費を複数の制度に申請すると、併給できない場合があります。ツールの費用は補助金、研修の費用は助成金というように、費用ごとに制度を分けてから準備を始めます。
そのほかに候補になる補助金(2026年10月時点)
表2 生成AIの導入で候補になる補助金
| 制度 | 主な狙い | 生成AIとの関係 |
|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 中小企業・小規模事業者等のITツール導入による労働生産性の向上 | 事務局に登録されたITツールが対象。AIを含むツールの導入を支援する |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 技術的革新性のある製品・サービスの開発、新市場・高付加価値事業への進出などに係る設備投資等 | 業務や事業の仕組みにAIを組み込む、設備投資を伴う取り組みの場合 |
| 自治体独自のDX・デジタル化の補助金 | 地域ごとのデジタル化支援 | 所在地の自治体に独自の制度がある場合 |
事業再構築補助金は公募を終了しています。中小企業新事業進出補助金も公募を終え、新規の受付は、2026年6月に第1回の公募要領が公開された新事業進出・ものづくり商業サービス補助金に移っています。古い記事の制度名のまま探さないよう注意してください。
申請でつまずきやすい4つの点
図2 補助金の申請から受け取りまでの流れ
お金が入るのは最後です。発注は、交付決定のあとにします。
1. 申請すれば採択されるわけではない
補助金には審査があり、事業計画の中身が問われます。採択されない場合も想定して計画を作ります。
2. 後払いなので立て替える資金が要る
補助金は、先に自社で支払い、実績報告を経て受け取るのが基本です。いったんは全額を立て替える資金が要ることを資金繰りに入れておきます。
3. 交付決定の前に発注しない
制度によっては、交付決定の前に発注・契約・支払いをすると対象外になることがあります。発注のタイミングは公募要領で確認してください。
4. 実績報告と証憑が要る
受け取る前には、何にどう使ったかを示す実績報告が求められます。見積書・契約書・請求書・支払いの記録を最初から揃えておきます。
研修の助成金も、始める前の手続きが要る
人材開発支援助成金は、訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を出します。研修を始めてからでは間に合いません。補助金の締切と、助成金の計画届の期限は、別々に動きます。
申請の前に社内で決めておくこと
- 目的:どの業務に、どう生成AIを使い、何を良くしたいのか
- 導入と育成の組み合わせ:ツールと、それを使う人の研修を一緒に計画する
- スケジュール:補助金の締切と、助成金の計画届の期限を同じ表に並べる
- 体制:誰が申請し、誰が使い、誰が証憑を管理するのか
目的が曖昧なまま制度だけを探しても、当てはめようがありません。ツール代や研修費を含めた総額の見積もり方はAI導入費用の内訳にまとめています。
ノセカエの場合
ノセカエは生成AIの研修を提供しています。座学3割・実習7割で、貴社の実際の業務をその場でAIに載せ替える設計です。研修費用に使える助成金については、提携する社会保険労務士が、対象になり得るかを無料で診断します。補助金・助成金の受給や採択は、お約束できません。ツール導入の補助金の申請手続きは、当社では行いません。
この記事のまとめ
- 「AI助成金」「生成AI補助金」という名前の国の制度は無い。ツールの導入は補助金、研修は助成金で見る。
- ツールの導入は、デジタル化・AI導入補助金が中心。使える費用と締切は、この補助金の記事で確かめる。
- 研修は、人材開発支援助成金。計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前まで。
- どちらも後払い。費用ごとに制度を分け、締切と期限を同じ表に並べる。
よくある質問
- 「AI助成金」「生成AI補助金」という制度はありますか
その名前の国の制度はありません。生成AIのツールを導入する費用は、デジタル化・AI導入補助金などの補助金で見ます。社員の研修の費用は、厚生労働省の人材開発支援助成金で見ます。自治体が独自の制度を設けている場合もあるので、所在地の自治体の情報も確認してください。
- デジタル化・AI導入補助金の補助率や締切は、どこで確かめられますか
事務局のサイトの、通常枠と事業スケジュールのページで確かめられます。生成AIの導入と研修に使えるかどうかは、デジタル化・AI導入補助金の記事で整理しています。
- 補助金と助成金は、両方使えますか
ツールの費用を補助金、研修の費用を助成金というように、別の経費であれば、それぞれの制度に申請できる場合があります。同じ経費を複数の制度に申請すると、併給できない場合があります。申請の前に、それぞれの事務局と労働局に確認してください。
参考資料・注意事項
- デジタル化・AI導入補助金2026「通常枠」
https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/ - デジタル化・AI導入補助金2026「事業スケジュール」
https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/ - デジタル化・AI導入補助金2026「デジタル化・AI導入補助金とは」
https://it-shien.smrj.go.jp/about/ - 中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開しました」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260310001.html - 中小企業庁「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領を公開しました」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260630002.html - 中小企業新事業進出補助金(中小企業基盤整備機構)
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/ - 事業再構築補助金
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/ - 厚生労働省「人材開発支援助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html - 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)令和8年8月3日版」
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf - 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731966.pdf
最終確認:2026年10月2日。本記事は制度の一般的な整理です。補助金・助成金の対象範囲・金額・要件・公募の有無は、年度や公募回によって変わります。最新の公募要領・支給要領と、所管の事務局・労働局の情報をご確認ください。個別の受給や採択を確約するものではありません。
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