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AIリテラシーとは|言葉の意味と、仕事で使うための3つの力

AIリテラシーとは|言葉の意味と、仕事で使うための3つの力

この記事の要点

  • AIリテラシーとは、AIを仕事の道具として、安全に、役に立つ形で使う力のことです。これは当社の定義です。
  • 当社は、仕事で使うための力を3つに整理しています。仕組みを大づかみに理解する、安全に使う判断ができる、自分の仕事に結びつける、の3つです。公的な分類ではありません。
  • 経済産業省と情報処理推進機構のデジタルスキル標準に、「AIリテラシー」という語の定義はありません。生成AIは、DXリテラシー標準の学習項目のなかで扱われています。
目次
  1. AIリテラシーとは
  2. デジタルスキル標準に「AIリテラシー」の定義はあるか:DXリテラシー標準の中で生成AIを扱う
  3. 仕事で使うための3つの力
  4. 3つの力が欠けると、どこで困るか
  5. 自分用と職場用の、確かめる質問
  6. 身につけ方:読む、試す、確かめる
  7. ノセカエの場合
  8. よくある質問
  9. 参考資料・注意事項

AIリテラシーという言葉の意味を確かめたい方に向けて、仕事で使う場面に絞って整理しました。社内で説明する立場の人事・情報システムの方と、自分で身につけたい方の両方を想定しています。公的な資料でどう扱われているかは、原本を読んで確かめた範囲で書きます。

AIリテラシーとは

当社は、AIリテラシーを、AIを仕事の道具として、安全に、役に立つ形で使う力と定義しています。リテラシーは、もともと読み書きの力を指す言葉です。AIリテラシーも、専門家がAIを作る力ではなく、使う側が道具として読み書きできる力を指します。プログラミングの知識は、ここには含めていません。

この定義は、当社のものです。当社が確かめた範囲(デジタルスキル標準 ver.2.0)では、「AIリテラシー」という語を定義する文は見当たりません。次の節で、公的な資料を確かめた結果を書きます。

デジタルスキル標準に「AIリテラシー」の定義はあるか:DXリテラシー標準の中で生成AIを扱う

経済産業省と情報処理推進機構(IPA)は、「デジタルスキル標準」を公表しています。このうち「DXリテラシー標準」は、全てのビジネスパーソンが身につけるべきスキルを定義したものです。当社は、2026年4月公表の ver.2.0(全147ページ)を、2026年10月2日に読みました。この資料に、「AIリテラシー」という語は出てきません。

生成AIは、DXリテラシー標準の学習項目と、マインド・スタンスの補記のなかで扱われています。生成AIに関する補記は、2023年8月の改訂で加わりました。出てくる箇所を表にまとめます。

表1 DXリテラシー標準のなかで、生成AIが出てくる主な箇所(デジタルスキル標準 ver.2.0。2026年10月2日に確認)

箇所書かれていること(要約)
マインド・スタンスの補記問いを立てる、仮説を立てて検証する、といった力と掛け合わせて生成AIを使う。期待しない結果の出力や、権利侵害、情報漏洩、倫理的な問題に注意が要ると理解している。変化をいとわず学び続ける
AIの学習項目AIには何ができて、何ができないのかを知る。学習項目の例に、AIの得意分野と限界、最新の技術動向(生成AIなど)がある
ツール利用の学習項目生成AIの利用方法として、文章・画像・音声の生成ツールの概要と、指示(プロンプト)の手法が挙がっている
行動例生成AIの出力に対し、客観的な事実を確認した上で利用する
モラルの説明生成AIなどに入力した情報がどのように利用されるかを理解し、適切な情報を入力する

表は、当社が原本を読んで要約したものです。資料の正確な文は、経済産業省のページから原本を開いて確かめてください。この資料は、AIリテラシーを定義してはいません。ただ、全てのビジネスパーソンに向けた項目のなかに、生成AIの使い方、限界、入力する情報、出力の確かめ方が入っています。

「AIリテラシー」という語が出てくる公的な資料もあります。総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.1版)」(令和7年3月28日)は、共通の指針の「教育・リテラシー」の項目に、「AIリテラシーの確保」を置いています。AIに関わる者が、十分なレベルのAIリテラシーを確保するために必要な措置を講じる、という内容です。これは事業者に取り組みを求める文で、語の意味を定義する文ではありません。当社が本編(全40ページ)を読んだ範囲では、語を定義する文は見当たりませんでした。

仕事で使うための3つの力

当社は、仕事で使うための力を、次の3つに整理しています。これは当社の整理で、公的な分類ではありません。

図1 仕事で使うための3つの力と、欠けたときに困る場面

力1
仕組みを大づかみに理解する
できること得意と不得意を説明できる
欠けると誤った答えを、正しいと思って使う
力2
安全に使う判断ができる
できること入力してよい情報と、人が確かめる出力を見分ける
欠けると出してはいけない情報を入力する
力3
自分の仕事に結びつける
できること自分の業務で、頼む作業の見当がつく
欠けると試しただけで、仕事では使わない

3つとも、仕事の場面で判断できるかどうかで見ます。

仕組みを大づかみに理解する

生成AIは、学習した大量の文章をもとに、続きそうな言葉を選んで文章を作ります。この仕組みのため、もっともらしいのに事実と違う答え(ハルシネーション)を返すことがあります。数式や技術の細部を知っている必要はありません。「正しい答えを調べて返す道具ではない」と説明できれば、この力は足りています。

安全に使う判断ができる

判断するのは、入力と出力の2つです。入力では、その情報を、そのツールに入れてよいかを見分けます。出力では、そのまま使ってよいものと、人が確かめるものを見分けます。数字、固有名詞、日付は、元の資料と照らします。会社のルールがある場合は、そのルールに従います。リスクの全体は生成AIのセキュリティで扱っています。

自分の仕事に結びつける

自分の業務のうち、どの作業を、どう頼めば役に立ちそうかの見当がつく状態です。文章の下書き、要約、言い換え、案出しのどれに当たるかを考えます。頼み方の基本はプロンプトの書き方にまとめています。

3つの力が欠けると、どこで困るか

ここは、当社の見立てです。調査の結果はありません。3つの力の中身から、理屈の上で言えることを書きます。

3つは、順に積み上がる

力1が無いと、力2の判断の理由が分かりません。力2が無いと、力3で業務に使うときに、安全かどうかを確かめられません。身につけるときは、1から順に進めます。

自分用と職場用の、確かめる質問

いまの状態を確かめるための質問を、自分用と職場用の2組にしました。「はい」と言えない項目が、次に身につけることです。

表2 AIリテラシーを確かめる質問(自分用と職場用)

力自分用の質問職場用の質問
仕組みを理解する生成AIが事実と違う答えを返す理由を、同僚に説明できるか全員が、出力に誤りが含まれることを知っているか
安全に使う判断手元の資料を、入力してよいものと、いけないものに分けられるか入力してよい情報のルールが、文書になっているか
安全に使う判断出力の数字と固有名詞を、元の資料で確かめているか社外に出す文書を、誰が確かめるかが決まっているか
仕事に結びつける自分の業務で、下書きを任せる作業を1つ挙げられるか部署ごとに、AIに任せる作業が書き出されているか
仕事に結びつけるうまくいかなかったとき、頼み方を直して試せるか困ったときに相談する先が、決まっているか

自分用の質問は、一人で確かめられます。職場用の質問は、ルールと体制の話で、一人では整えられません。職場のルールの作り方はAI利用規程の作り方で扱っています。

身につけ方:読む、試す、確かめる

図2 個人で身につける範囲と、会社でそろえる範囲

個人で身につける
この記事の範囲
読む仕組みと、得意・不得意を知る
試す自分の業務の作業を1つ頼んでみる
確かめる出力を、元の資料と照らす
会社でそろえる
研修の記事の範囲
ルール入力してよい情報と、使ってよいツールを決める
研修全社員に、同じ基礎を教える
演習自社の書類を、入力してよいかで仕分ける

入力してよい情報の線は、個人では決められません。会社が決めます。

個人でできるのは、読む、試す、確かめる、の3つです。仕組みと限界を読み、自分の業務の作業を1つ頼んでみて、出力を元の資料と照らします。試すときは、会社が認めたツールを使い、入力してよいか分からない情報は入れません。

入力してよいか分からないときは、入力しない

会社のルールが無い、または分からない状態で、業務の情報を外部のツールに入力しないでください。先に、上長か情報システムの担当に確かめます。

会社として全社員にそろえる方法は、AIリテラシー研修とはで扱っています。教える4つの項目と、対にする演習をまとめています。AI研修の種類の全体はAI研修とはを、業務で使う段階の研修は生成AI研修とはをご覧ください。

ノセカエの場合

ノセカエは、法人向けの生成AI研修です。個人向けの講座はありません。研修は座学3割・実習7割で、何を入力してはいけないかを扱うセキュリティの講義を行います。半日研修では、AI利用規程のひな形をお渡しします。研修の前に、30分のヒアリングで業務内容を伺います。料金と内容はノセカエのトップページでご確認ください。

この記事のまとめ

  • AIリテラシーは、AIを仕事の道具として、安全に、役に立つ形で使う力(当社の定義)。
  • 仕事で使うための力は、仕組みを理解する、安全に使う判断、仕事に結びつける、の3つ(当社の整理)。
  • デジタルスキル標準に「AIリテラシー」の語は出てこない。生成AIは、DXリテラシー標準の学習項目のなかで扱われている。AI事業者ガイドラインには語が出てくるが、定義する文ではない。
  • 個人でできるのは、読む、試す、確かめる。入力してよい情報の線は、会社が決める。

よくある質問

AIリテラシーとは、どういう意味ですか

当社は、AIを仕事の道具として、安全に、役に立つ形で使う力と定義しています。AIを作る力や、プログラミングの知識は含めていません。当社が確かめた2つの資料(デジタルスキル標準 ver.2.0、AI事業者ガイドライン第1.1版の本編)には、語を定義する文は見当たりません。

3つの力は、公的な基準ですか

いいえ。当社の整理で、公的な分類ではありません。公的な資料では、経済産業省と情報処理推進機構のデジタルスキル標準が、全てのビジネスパーソン向けの学習項目のなかで、生成AIの使い方や限界を扱っています。

AIリテラシーとITリテラシーは、何が違いますか

当社は、ITリテラシーを、パソコンやソフトを正しく操作して使う力と整理しています。AIリテラシーでは、それに加えて、出力が誤っている可能性を前提に確かめることと、入力する情報を選ぶことが要ります。

AIリテラシーを身につけるのに、プログラミングは必要ですか

当社の定義では、必要ありません。仕事で使うための力は、仕組みを大づかみに理解することと、安全に使う判断と、自分の仕事に結びつけることです。

会社でAIリテラシーをそろえるには、どうすればよいですか

入力してよい情報のルールを決め、全社員に同じ基礎を教えます。教える項目と演習の組み方はAIリテラシー研修とはにまとめています。

参考資料・注意事項

  • 経済産業省「デジタルスキル標準」(ver.2.0、2026年4月)
    https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/main.html
  • 経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準 ver.2.0」(本体)
    https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/img/digitalskillstandardver.2.0.pdf
  • 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.1版)」(令和7年3月28日)
    https://www.soumu.go.jp/main_content/001002576.pdf

最終確認:2026年10月2日。AIリテラシーの定義と3つの力は、当社の整理で、公的な分類ではありません。「欠けると困る場面」は当社の見立てで、調査の結果ではありません。表1は、デジタルスキル標準 ver.2.0 を当社が読んで要約したものです。「定義する文は見当たらない」と書いた範囲は、デジタルスキル標準 ver.2.0 と、AI事業者ガイドライン(第1.1版)の本編です。別添と、ほかの法令・資料は確認していません。資料は改訂されることがあるため、最新の版は経済産業省のページでご確認ください。

全社員の基礎を、自社の業務を題材にそろえます。

30分のヒアリングで業務内容を伺い、実習の題材と、助成金の対象となる可能性を確認します。

自社向けの研修内容を相談する →

お電話でのご相談:03-6820-2744(平日10:00〜18:00)

浅香 祐輔

この記事を書いた人

浅香 祐輔(Never Red株式会社 代表取締役)

大手コンサルティングファーム(アクセンチュア/アビーム)出身。DX・業務改革・SAP導入が専門で、50名超のチームでPMを担当。法人向け生成AI研修「ノセカエ」の講師を務める。

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