法人向けAI研修の選び方|「使えるようになる」研修を見抜く5基準
# 法人向けAI研修の選び方|「使えるようになる」研修を見抜く5基準
法人向けのAI研修は、ここ数年で一気に増えました。資料を取り寄せて並べてみると、どれも似たような言葉が並んでいて、正直なところ違いが分かりにくいと思います。
ただ、研修を受けた会社からよく聞くのは、こういう声です。
「受けたときは盛り上がったのに、翌週には誰も使っていない」
これは珍しい話ではありません。研修そのものの問題というより、選ぶ段階で見るべきところを見ていなかったことが原因のケースが多いです。
この記事では、研修会社を比較している経営・人事の方に向けて、「使えるようになる」研修を見抜くための5つの基準を整理します。派手なうたい文句ではなく、現場で実際に効くかどうかで判断するための観点です。
なぜ「受けて終わり」の研修が生まれるのか
先に結論を言うと、多くの研修は「知る」ことをゴールにしているからです。
AIの仕組みを知る、できることを知る、便利なツールを知る。それ自体は悪くありません。ただ、知っただけでは業務は変わりません。自分の目の前の仕事に当てはめて、実際に手を動かして、ようやく「使える」状態になります。
ここのギャップを埋められるかどうかが、研修の良し悪しを分けます。以下の5つは、そのギャップを埋められる研修かどうかを見分けるための基準です。
「使えるようになる」研修を見抜く5基準
① 講師は現場で実際にAIを使っているか
まず確認したいのは、講師自身が実務でAIを使っているかです。
AIに詳しい人と、AIで仕事をしている人は別物です。前者は概念や最新動向をきれいに説明できますが、「で、うちの見積書作成はどう変わるの?」という質問にはふわっとした答えしか返ってきません。後者は、自分が現場でぶつかった失敗や、うまくいかなかった使い方まで具体的に語れます。
確認の仕方は単純で、講師の経歴と、直近で何の業務にAIを使っているかを聞いてみることです。答えが抽象的なら、研修も抽象的になりがちだと考えていいと思います。
ちなみにノセカエの講師は、アクセンチュア・アビーム出身で、SAP導入やDX、PMOを今も現場でやっているコンサルタントです。代表の浅香自身も実務でAIを使っています。きれいごとではなく、自分が使って詰まったところを話せる、というのを大事にしています。
② 実習の比率はどれくらいか
次に見たいのは、座学と実習の比率です。
ここは資料を見るだけでは分かりにくいので、必ず聞いてください。「講義中心」「デモを見ながら」というのは、聞こえはいいですが手が動いていません。人は、見ているだけでは使えるようになりません。自分でプロンプトを書いて、失敗して、直して、ようやく身につきます。
ひとつの目安として、実習が半分を大きく超えているかは確認する価値があります。受講者が「自分の手で」何回AIを動かしたか、で定着はだいたい決まります。
ノセカエは、座学が3割、実習が7割という構成にしています。理由はシンプルで、手を動かした分だけしか身につかないと考えているからです。比率は目安で、内容によって前後しますが、「聞いて終わり」にはしない設計です。
③ 自社の実業務を持ち込めるか
3つ目が、おそらく最も差が出るところです。自分たちの実際の業務を題材にできるか。
研修でよくあるのは、用意されたサンプル課題でAIを動かすパターンです。「架空の会社の議事録を要約してみましょう」のような課題ですね。これでも操作は覚えられますが、自社の業務に戻った瞬間、「あれ、うちの場合どうやるんだっけ」となりがちです。
一番定着するのは、研修の場に自分の本物の仕事を持ち込んで、その場でAIに載せ替えてみるやり方です。いつも作っている資料、毎週やっている集計、面倒な定型メール。それをその場で動かしてみると、「これは明日から使える」という手応えが残ります。
ノセカエ(載せ替え)という名前は、まさにここから来ています。自分の実業務を持ち込んで、その場でAIに載せ替える。架空の課題ではなく、戻ったその日に使える状態を持ち帰ってもらうことを狙っています。
④ 社内ルール(AI利用規程)まで持ち帰れるか
意外と見落とされがちなのが、ルールの問題です。
現場がAIを使えるようになっても、「これって機密情報を入れて大丈夫なの?」という不安が残ると、結局使われなくなります。情報システム部門や法務から「勝手に使うな」と止められて止まる、というのもよく聞く話です。
ですので、研修を選ぶときは、AI利用のルール作りまで面倒を見てくれるかを確認しておくと安心です。何を入れてよくて何がだめか、という線引きがないまま現場に任せると、使われないか、逆に危ない使い方が広がるか、どちらかになりやすいです。
ノセカエでは、AI利用規程のひな形をお渡しし、セキュリティの講義もセットにしています。「使えるようにする」と「安全に使う」をセットで持ち帰ってもらう、という考え方です。ひな形はあくまで土台で、各社の事情に合わせて調整いただく前提です。
⑤ 終了後の定着フォローはあるか
最後は、研修が終わったあとの話です。
どんなにいい研修でも、終わった瞬間が一番モチベーションが高く、そこから下がっていきます。1週間も経つと、日々の業務に押し戻されて使わなくなる。これが「受けて終わり」の正体です。
ですので、終了後に何かしらのつながりが残るかは確認しておく価値があります。質問できる窓口があるか、つまずいたときに聞けるか。フォローの形は会社によってさまざまですが、「やりっぱなしにしない」姿勢があるかどうかは、問い合わせの段階で感じ取れると思います。
なお、AI研修には助成金が使える場合があります。費用面が気になるときは、提携している社労士による無料診断を案内していますので、これも判断材料のひとつにしていただければと思います。
まとめ:自社の目的に合うかで選ぶ
5つの基準を振り返ります。
- ① 講師が現場で実際にAIを使っているか
- ② 実習の比率が十分にあるか
- ③ 自社の実業務を持ち込めるか
- ④ AI利用規程まで持ち帰れるか
- ⑤ 終了後の定着フォローがあるか
ただ、ここで一番大事なことを正直に書いておきます。全部の基準を完璧に満たす研修が、どの会社にとっても正解というわけではありません。
「まずは管理部門の定型業務を楽にしたい」のか、「営業部隊の提案資料づくりを底上げしたい」のか、目的によって優先すべき基準は変わります。実習比率より、まず利用規程を整えたい会社もあるでしょう。
ですので、研修会社を比べるときは、うたい文句の派手さではなく、自社が今いちばん解きたい課題に、その研修が噛み合っているかで選ぶのがいいと思います。この5基準は、その噛み合わせを確かめるためのチェックリストとして使ってください。
ノセカエは、半日40万円〜、20名程度まで、最短2週間、全国オンラインで対応しています。自社の場合どう組めるか気になった方は、料金プランをご覧ください。具体的な進め方のご相談も承っています。