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Gemini研修とは?ChatGPT・Copilot研修との違いと、Workspaceで使われる状態にする設計

Gemini研修とは?ChatGPT・Copilot研修との違いと、Workspaceで使われる状態にする設計

この記事の要点

  • Gemini研修は、Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・Meetの中でGeminiを使えるようにする研修です。
  • 研修の前に、自社のプランでどのアプリのGeminiを使えるかを、情報システム担当と確認します。
  • 研修では、受講者が自分の業務を持ち込み、その場で1件動かして帰る時間を確保します。
目次
  1. Gemini研修とは:Workspaceの中で使えるようにする研修
  2. 研修の前に、自社のプランで使える範囲を確認する
  3. ChatGPT研修・Copilot研修との違い
  4. Workspaceの会社で、Geminiが最初に役立つ4つの場面
  5. 使える環境なのに使われない3つの理由
  6. 半日研修の組み立て方(座学3割・実習7割)
  7. 情報の扱いで、先に決めておく3点
  8. 助成金の考え方
  9. ノセカエのGemini研修:業務から入る
  10. まとめ
  11. よくある質問
  12. 参考資料・注意事項

Gemini研修は、Google WorkspaceのGeminiを、社員が普段使っているGmail・ドキュメント・スプレッドシート・Meetの中で使えるようにする研修です。Geminiが使える環境になり費用も払っているのに、現場は先月と同じやり方で仕事をしている。この落差が起きるのは、ツールを配ることと、業務が変わることが別物だからです。

この記事では、Workspaceを使っている会社の人事・情報システム担当の方に向けて、研修の前に確認したいプランの違い、ChatGPT研修・Copilot研修との違い、最初に役立つ場面、半日研修の組み立て方を整理します。

Gemini研修とは:Workspaceの中で使えるようにする研修

Gemini研修とは、Googleの生成AIであるGeminiを、社員が自分の業務で使えるようにするための研修です。ポイントは、普段使っているWorkspaceのアプリの中で使うことを前提に組み立てる点にあります。

Workspaceに組み込まれたGeminiは、GmailやドキュメントなどWorkspaceのアプリの中で、自社のメールや文書の文脈を踏まえて使えるのが強みです。それなのに研修の中身が「プロンプトの書き方の一般論」で終わると、受講者はブラウザの対話画面しか使わず、Workspaceで使える意味が出ません。

Workspaceの中で使う前提で組むと、自分の仕事のどこで呼び出すかを持ち帰れる

プロンプトの書き方の一般論を教える研修では、受講者はブラウザの対話画面しか使わず、Workspaceで使える意味が出ない。普段使っているアプリの中で使う前提で組む研修では、自社のメールや文書の文脈を踏まえて使え、自分の仕事のどの場面で、どう呼び出すかを持ち帰れる。

研修の目的は、「自分の仕事のどの場面で、どう呼び出すか」を各自が持ち帰れる状態にすることです。

図1 研修の組み立てと、受講者が使う場所。

Gemini研修の目的は、AIの一般論を教えることではなく、「自分の仕事のどの場面で、どう呼び出すか」を各自が持ち帰れる状態にすることです。業務を題材にする研修の考え方は、ツールを問わず生成AI研修とはで解説しています。

研修の前に、自社のプランで使える範囲を確認する

WorkspaceのどのアプリでGeminiを使えるかは、契約しているプランによって異なります。Googleの料金ページ(2026年9月24日確認)では、次のように案内されています。

プランGeminiを使える範囲
Business StarterGmailのGemini、Geminiアプリ
Business Standard・Plus、EnterpriseGmail・ドキュメント・Meetなどのアプリ内のGemini、Geminiアプリなど

たとえばStarterプランの会社で、ドキュメントやスプレッドシートでのGeminiの使い方を研修しても、職場では同じことができません。Meetの「自動メモ生成」のように、対象のエディションに加えて管理者が機能を有効にしておく必要があるものもあります。研修の前に、情報システム担当と使える機能の範囲を確認してください。プランの内容は変更されることがあるため、最新の情報は公式ページでご確認ください。

研修で扱う範囲は、職場で使える範囲に合わせる。使える範囲はプランと管理者の設定で変わる

研修で扱う範囲が、職場で使える範囲より広いと、外側を研修しても職場では同じことができない(例:Starterの会社で、ドキュメントでの使い方を研修する)。研修で扱う範囲と職場で使える範囲が合っている形にする。職場で使える範囲を決めるのは、契約しているプランと、管理者が有効にしている機能(例:Meetの「自動メモ生成」)。研修の前に、情報システム担当と使える機能の範囲を確かめる。

研修の前に、情報システム担当と使える機能の範囲を確認します。

図2 研修で扱う範囲と、職場で使える範囲。

ChatGPT研修・Copilot研修との違い

「AI研修」とひとくくりにされがちですが、扱う道具が違えば勘所も変わります。整理すると次のとおりです。

観点Gemini研修Copilot研修ChatGPT研修
使う場所Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・Meetの中Word・Excel・TeamsなどOfficeの中ブラウザやアプリの対話画面
踏まえる文脈自社のWorkspaceの中のメールや文書自社のMicrosoft 365の中の情報(有料ライセンスの場合)主にその場で入力・添付した情報
役立ちやすい業務メール・議事録・社内文書・表の整理資料作成・データ整理・会議の要約企画・下書き・調べ物・言い換え
研修の主眼普段の画面から呼び出す習慣づけOffice作業への組み込み指示の出し方(プロンプト)の型

実務上、この3つは競合というより、会社が使っているグループウェアで決まります。Workspaceの会社ならGemini、Microsoft 365の会社ならCopilotを軸に考えるのが素直な整理です。Copilot側の研修設計はCopilot研修の内容、費用の目安はChatGPT研修の費用相場で整理しています。

3つの研修は競合というより、会社が使っているグループウェアで軸が決まる

Workspaceの会社はGemini研修が軸で、Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・Meetの中で使い、研修の主眼は普段の画面から呼び出す習慣づけ。Microsoft 365の会社はCopilot研修が軸で、Word・Excel・TeamsなどOfficeの中で使い、主眼はOffice作業への組み込み。ChatGPT研修はブラウザやアプリの対話画面で使い、主眼は指示の出し方(プロンプト)の型。

Workspaceの会社ならGemini、Microsoft 365の会社ならCopilotを軸に考えるのが、素直な整理です。

図3 グループウェアと研修の軸。

Workspaceの会社で、Geminiが最初に役立つ4つの場面

いきなり全社の全業務に広げると、失速しやすくなります。効果が見えやすい業務から順にGeminiを使い始めるのが進めやすい方法です。

業務Geminiに任せること人が残す判断
メール(Gmail)長いスレッドの要約、返信の下書き、丁寧な言い換え送るかどうか、どこまで約束するか
会議(Meet)「自動メモ生成」による会議メモの下書き、決定事項と宿題の抜き出し誰がいつまでにやるかの確定、社外に出す版の確認
社内文書(ドキュメント)骨子づくり、初稿、長文の要約事実確認、社内ルールとの整合
表の整理(スプレッドシート)自由記述の分類、表記ゆれの整理、要約列の作成数字そのものの正しさ、分類基準の決定

共通しているのは、「文章を作る・整理する」はAIに任せ、「決める」は人が持つという線引きです。この線を最初に共有しておくと、現場は安心して使い始められます。議事録の具体的な作り方は生成AIで議事録を作る手順にまとめています。

「作る・整理する」はAIに任せ、「決める」は人が持つ

送るかどうか、誰がいつまでにやるか、事実確認、数字そのものの正しさは、人が判断します。

使える環境なのに使われない3つの理由

1|自分の仕事のどこで使えるかが分からない

当社が考える理由です。機能紹介を聞いても、受講者の頭に浮かぶのは「便利そう」までで、明日の自分の作業につながりません。研修で扱う題材が一般的な例文だと、このずれは埋まりません。

2|出てきた文章が、自社の言い回しではない

一度使ってみて、出てきた文面が自社のトーンと違い、手直しに時間がかかる。それなら自分で書いたほうが早い、と使わなくなります。ここで必要なのは追加機能ではなく、自社の言い回しを織り込んだ指示の型です。型があるかどうかで、手直しの量が大きく変わります。

3|情報の扱いが怖くて、手が止まる

「顧客名を入れていいのか」「見積書を貼っていいのか」。ここが決まっていないと、慎重な社員ほど使いません。禁止事項だけを配ると、現場は「触らない」を選びます。やってよいことを具体的に示すほうが、実際には安全に広がります。

使える環境なのに使われない理由は3つ。それぞれに手当てがある

1つ目の理由は、自分の仕事のどこで使えるかが分からないこと。機能紹介を聞いても「便利そう」で止まる。手当ては、自分の業務を持ち込み、その場で使うこと。2つ目は、出てきた文章が自社の言い回しではないこと。手直しに時間がかかり、自分で書くほうが早くなる。手当ては、自社の言い回しを織り込んだ指示の型。3つ目は、情報の扱いが怖くて手が止まること。禁止事項だけを配ると、現場は「触らない」を選ぶ。手当ては、やってよいことを具体的に示すこと。

情報の扱いは、禁止事項だけを配るより、やってよいことを具体的に示すほうが、実際には安全に広がります。

図4 使われない3つの理由と、手当て。

半日研修の組み立て方(座学3割・実習7割)

法人向けに組むなら、当社がおすすめする半日の形です。時間配分の考え方として参考にしてください。

時間内容持ち帰るもの
30分Geminiでできること・できないこと、情報の扱いの線引き使ってよい情報/避ける情報の判断軸
30分Gmail・ドキュメントでの基本操作、指示の書き方の型そのまま使える指示文のテンプレート
90分実習:受講者が持ち込んだ自分の業務を、その場でGeminiを使って進める自分の業務で動いた実物1〜2件
30分共有:うまくいった型を全員で持ち寄る部署内で使い回せる型の一覧

要になるのは3行目です。受講者が自分の業務を持ち込み、その場で1件動かして帰る。ここを削って講義を厚くすると、満足度は上がっても翌週の利用は伸びにくくなります。当社が座学を3割に抑えているのはそのためです。

半日の中で、実習の90分がいちばん長い

半日研修は、線引き30分、操作と型30分、実習90分、共有30分。いちばん長い実習の90分で、受講者が持ち込んだ自分の業務を、その場で1件動かす。

ここを削って講義を厚くすると、満足度は上がっても、翌週の利用は伸びにくくなります。

図5 半日研修の時間配分(当社がおすすめする形)。

研修を単発で終わらせず、年間を通じた社内教育にする考え方は生成AIの社内教育の設計で整理しています。

情報の扱いで、先に決めておく3点

Geminiは自社のメールや文書を踏まえて使える分、「どこまで扱わせるか」を曖昧にしたまま広げると、後で社内の調整が必要になります。Googleは、Workspaceに保存された組織のデータをGeminiのモデルのトレーニングに使わないと説明していますが、社内で誰がどの情報を扱ってよいかは自社で決める必要があります。研修の前に、次の3点は決めておいてください。

  1. 入れてよい情報の範囲——顧客名・個人情報・未公表の数字をどう扱うか
  2. 出力をそのまま使ってよい場面——社内メモは可、社外に出す文書は人の確認を通す、など
  3. 困ったときの相談先——迷ったら誰に聞くかを1人決めておく

この3点は、A4で1枚あれば足ります。分厚い規程を作る前に、この1枚を配るほうが早く回ります。規程としての書き方はAI利用規程の作り方にまとめています。

助成金の考え方

社員向けの研修は、要件を満たせば人材開発支援助成金などの対象となる可能性があります。ただし、事業展開等リスキリング支援コースでは、令和8年8月3日以降に提出する計画届から、特定の業務に当てはめない汎用的なプロンプトの作り方だけを学ぶ訓練は助成対象外とされました(経過措置あり)。Geminiの機能紹介だけの研修ではなく、受講者の業務に直結した内容で組む必要があります。申請の段取りはAI研修の助成金を使う条件と申請の順番で整理しています。

ノセカエのGemini研修:業務から入る

最初に確かめたいのは、ツールの話ではなく、いま社内で最も時間がかかっている文章の仕事は何かです。見積書のたたき台なのか、日報の集約なのか、問い合わせの一次返信なのかで、扱う画面も型も変わります。道具から入ると機能紹介になり、業務から入ると業務のやり方そのものが変わります。

研修は座学3割・実習7割で、受講者は自分の業務を持ち込み、その場で動かして帰ります。半日で全社が変わるわけではありませんが、翌週から一人が一つの作業をGeminiで進めている状態を目指します。

まとめ

Gemini研修は、Google Workspaceの中で生成AIを使えるようにする研修です。研修の前に自社のプランで使える範囲を確認し、メール・会議メモ・社内文書・表の整理から始め、研修では受講者が自分の業務を持ち込んでその場で1件動かす時間を確保してください。

よくある質問

Gemini研修とChatGPT研修は、何が違いますか

使う場所が違います。Gemini研修はGmail・ドキュメント・スプレッドシート・Meetの中で使う前提で組み、ChatGPT研修はブラウザやアプリの対話画面で使う前提です。実務上は、会社が使っているグループウェアで決まり、Workspaceの会社ならGeminiを軸に考えます。

研修の前に、何を確認しておけばよいですか

自社のプランでGeminiを使えるアプリの範囲です。プランによって使える範囲が異なり、Meetの「自動メモ生成」のように、管理者が機能を有効にしておく必要があるものもあります。あわせて、入れてよい情報の範囲、出力をそのまま使ってよい場面、困ったときの相談先の3点を決めておきます。

Gemini研修は、助成金の対象になりますか

要件を満たせば、人材開発支援助成金などの対象となる可能性があります。ただし事業展開等リスキリング支援コースでは、令和8年8月3日以降に提出する計画届から、特定の業務に当てはめない汎用的なプロンプトの作り方だけを学ぶ訓練は助成対象外とされました(経過措置あり)。受講者の業務に直結した内容で組む必要があります。

半日研修は、どのような時間配分ですか

当社がおすすめする形は、できること・できないことと情報の扱いの線引きに30分、基本操作と指示の書き方の型に30分、受講者が持ち込んだ業務をその場で進める実習に90分、うまくいった型を持ち寄る共有に30分です。

参考資料・注意事項

最終確認:2026年9月24日。製品のプラン・機能・名称は提供元により変更されることがあります。導入の際は各公式ページの最新情報をご確認ください。助成金は要件を満たす場合に対象となる可能性があるもので、受給を保証するものではありません。

座学3割・実習7割。貴社の業務を題材に、その場でAIに載せ替えます。

30分のヒアリングで業務内容を伺い、実習の題材と、助成金の対象となる可能性を確認します。

自社向けの研修内容を相談する →

お電話でのご相談:03-6820-2744(平日10:00〜18:00)

浅香 祐輔

この記事を書いた人

浅香 祐輔(Never Red株式会社 代表取締役)

大手コンサルティングファーム(アクセンチュア/アビーム)出身。DX・業務改革・SAP導入が専門で、50名超のチームでPMを担当。法人向け生成AI研修「ノセカエ」の講師を務める。

講師プロフィール ・ 運営会社の情報