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内定者研修で生成AIを扱う前に決めること|アカウント・入力させない情報・費用の持ち方

内定者研修で生成AIを扱う前に決めること|アカウント・入力させない情報・費用の持ち方
目次
  1. 1|入社後の研修と何が違うのか
  2. 2|アカウント:誰の契約で使ってもらうか
  3. 3|情報:何を入力させてよいか
  4. 4|時間と費用:誰が持ち、いつ実施するか
  5. 5|入社前に教える範囲と入社後に回す範囲
  6. 6|日程を出す前に決めておく5つ
  7. ノセカエで内定者研修をお受けする場合
  8. まとめ
  9. 注意事項

入社してから一から教えるより、内定者のうちに生成AIに慣れておいてもらいたい。そう考えて内定者研修を計画している人事担当の方に向けて、入社前ならではの決めごとを整理します。

ねらいはよく分かります。ただ、同じ生成AIの研修でも、入社前と入社後とでは先に決めることが違います。内定者はまだ社員ではないため、会社のアカウントを渡してよいか、社内の資料を題材にしてよいか、研修の時間と費用を誰がどう持つかを、1つずつ決め直す必要があります。

以下では、この3つ(アカウント・情報・費用)をどう扱うかと、入社前に教える範囲を整理します。内定者の法的な位置づけや入社前研修への参加の扱いは労務の判断になるため、最終的には社会保険労務士や弁護士にご確認ください。

1|入社後の研修と何が違うのか

入社後の新入社員研修に生成AIを入れる場合は、新入社員研修の何日目に生成AIを教えるかで扱っています。入社前になると、次の4点が変わります。

入社後の研修内定者研修(入社前)
会社のアカウント入社の手続きと一緒に発行できるまだ社員ではない人に、会社の契約の席を渡すかどうかから決める
題材にできる情報社内の資料や自分の業務を使える社内の資料は原則使えない。秘密保持の誓約や就業規則の説明も、入社時に行う会社が多い
時間と費用の扱い所定の勤務時間の中で、会社の費用でやる参加を義務にするか任意にするか、対価をどうするかが労務の論点になる
途中で抜ける人基本的にいない内定の辞退が出ることがある。渡したものを回収する手順が要る

つまり、内定者研修の生成AIは「何を教えるか」より先に「何を渡すか」を決める研修です。ここが決まらないまま日程だけ決めると、当日に「このアカウントで入ってよいのか」「この資料を入力してよいのか」で止まります。

2|アカウント:誰の契約で使ってもらうか

研修でツールをどう用意するかは、入社後の研修でも論点になります。ChatGPT研修の前に決めるアカウントと契約では、研修会社の環境を借りる・自社で法人契約する・個人の契約を会社が精算する、の3つの型に分けています。内定者研修に当てはめると、向き不向きが入社後とは少し変わります。

用意の仕方内定者研修での向き不向き気をつけること
研修の間だけ使える環境を使う向いている。研修が終われば環境も終わるので、辞退が出ても後始末が軽い作ったものが入社後に引き継げない。入社前は「慣れる」ことが目的だと割り切る
自社の法人契約の席を、入社前に渡す入社後もそのまま使わせたいなら合う席の費用が入社前から発生する。辞退が出たら、その日に止める手順が要る
内定者本人の個人アカウントを使う会社の情報を一切入力しない前提なら、成り立たなくはない会社には何も残らない。何を入力したかも会社からは見えない。会社の費用で個人の契約を支払う形はおすすめしない

自社の席を入社前に渡す場合は、辞退が出た日に誰が止めるかを先に決めてください。入社前の人は、人事の台帳に載っていても情報システム担当のアカウント台帳には載っていないことがあります。研修後にアカウントが残る問題は研修後のアカウント棚卸しの回し方で扱っていますが、内定者は台帳から漏れやすい人たちです。

3|情報:何を入力させてよいか

入社前の研修で最も気をつけていただきたいのがここです。

社内の資料は題材にしない

見積書や議事録を題材にすると実習は一気に実務らしくなりますが、内定者はまだ社内の情報の扱い方について説明を受けていません。入社前の人に社内の資料を渡し、それを外部のサービスに入力させることになり、二重の持ち出しになります。題材は、会社が用意した架空の業務メモや、公開されている情報に限るのが安全です。

内定者自身の個人情報も入力させない

「自己紹介文を整えてみよう」「就職活動で書いた文章を要約してみよう」は手軽な演習ですが、本人の個人情報をそのまま入力する練習になってしまいます。入社後に顧客の情報で同じことをしないよう、入社前から「人の情報は入力しない」を習慣にすることを優先してください。

入力してはいけない情報の話は入社前に扱ってよい

反対に、入社前に扱う価値が高いのは、何を入力してはいけないかの講義です。会社の生成AIの利用ルールがあるなら入社前に読んでもらうと、配属初日から同じ基準で使い始められます。ルールをまだ作っていない会社は、研修より先にそちらを決めてください。作り方は生成AIガイドラインに入れる項目と作り方で扱っています。

4|時間と費用:誰が持ち、いつ実施するか

参加の扱いは案内文の書き方だけでは決まらない

入社前の研修への参加を義務にするか任意にするか、対価を払うか。ここは労務の判断で、内定者の立場や研修の実態によって扱いが変わり得ます。

入社後の研修については、案内文に「任意参加」と書いたかどうかではなく、実態で判断されるという考え方があります。その整理は研修時間は労働時間にあたるかにまとめています。内定者研修にこの考え方がどう当てはまるかは、日程を出す前に社会保険労務士か弁護士にご確認ください。

新卒の内定者は学生でもある

新卒の内定者には授業も卒業論文もあります。平日の日中に数時間を何回も押さえると、本人にとっては断りにくい負担になります。入社前に実施するなら、回数を少なく、1回を短くするのが基本です。

助成金は入社前の研修には見込まない

研修費に使われることの多い人材開発支援助成金は、雇用保険の被保険者である従業員への訓練を対象にしています。入社前の内定者は、通常まだ雇用保険に加入していません。内定者研修の費用は、助成金が出ない前提で予算を組んでください。入社後の研修は対象になる可能性があり、その場合は計画届の提出時期などの要件があります。個別の可否は管轄の労働局か社会保険労務士にご確認ください。

5|入社前に教える範囲と入社後に回す範囲

ここまでをまとめると、入社前に扱ってよいことと、入社後に回したほうがよいことは次のように分かれます。

入社前(内定者研修)で扱う入社後(配属後)に回す
生成AIが何をして、何を間違えるのかを実際に使って知る自分の業務を持ち込み、実際にAIを使って作業する
入力してはいけない情報と、会社の利用ルールを知る社内の資料や顧客の情報を使った実習
架空の業務メモから、メールや報告を下書きする練習配属先の上司と一緒に、どの作業から使うかを決める
出てきた答えを、そのまま使わずに確かめる習慣会社のアカウントでの継続的な利用と、利用履歴の管理

入社前に目指すのは「使える」ではなく「使い始めてよい状態」です。自分の業務で使えるようになるのは、配属されて自分の仕事を題材にしてからです。入社前に詰め込むほど効果が上がる研修ではありません。入社後の生成AI研修で何を扱うかの全体像は、生成AI研修とは何をする研修かをご覧ください。

6|日程を出す前に決めておく5つ

(1) 誰の契約で使ってもらうか

研修の間だけの環境か、自社の席を先に渡すか。自社の席なら、発行と停止を誰がするか。

(2) 題材を誰が作るか

社内の資料を使わないなら、架空の業務メモを誰かが作る必要があります。研修会社に頼むか、人事が作るか。

(3) 入力してはいけない情報の線

社内のルールがあるならそれを使う。ないなら、研修より先に決める。

(4) 参加の扱いと、日程

義務か任意か、対価をどうするか。社会保険労務士か弁護士に確認したうえで、学業に配慮した日程にする。

(5) 辞退が出たときの回収

渡したアカウント、配った資料、共有したフォルダ。辞退の連絡を受けた人事から、情報システム担当へすぐ伝わる手順にしておく。

ノセカエで内定者研修をお受けする場合

まとめ

内定者研修で生成AIを扱うこと自体はできますが、入社前の研修は「何を教えるか」より先に「何を渡すか」を決める研修です。アカウントは研修の間だけの環境が後始末が軽く、自社の席を渡すなら辞退の日に止める人を決めておく。題材は架空のものにして、入力してはいけない情報を先に覚えてもらう。費用は助成金を見込まずに組み、参加の扱いは日程を出す前に専門家に確かめてください。

注意事項

入社前と入社後の違い、アカウントの用意の仕方の向き不向き、入社前に扱う範囲の整理は、当社の研修の組み方とご相談の経験に基づくもので、統計調査に基づくものではありません。内定者の法的な位置づけ、入社前研修への参加の扱い・対価は個別の事情によって判断が異なり得るため、社会保険労務士・弁護士にご確認ください。助成金は審査によって支給の可否が決まり、当社は支給を約束するものではありません。助成金の申請書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務であり、当社では行いません。

入社前にやる範囲と、入社後に回す範囲を、一緒に分けます。

内定者の人数と時期、社内の利用ルールの有無、入社後の研修の予定をうかがい、入社前と入社後の分け方を、30分の無料相談で確認します。入社後の研修が助成金の対象となるかは、提携社労士が無料で診断します。

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浅香 祐輔

この記事を書いた人

浅香 祐輔(Never Red株式会社 代表取締役)

大手コンサルティングファーム(アクセンチュア/アビーム)出身。DX・業務改革・SAP導入が専門で、50名超のチームでPMを担当。法人向け生成AI研修「ノセカエ」の講師を務める。

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