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AI導入費用の内訳|ツール代・研修費・顧問料・社内の工数の4つで見積もる

AI導入費用の内訳|ツール代・研修費・顧問料・社内の工数の4つで見積もる

この記事の要点

  • AI導入費用は、既製のツールを使うか、API連携か、個別開発かで桁が変わります。まず自社がどれに当たるかを決めます。
  • 既製の生成AIツールを入れる会社の費用は、ツール代、研修費、顧問・伴走の費用、社内の工数の4つに分けて見積もります。
  • 補助金が効くのはツールの導入、助成金が効くのは研修です。どちらも審査があり、支給が約束されるものではありません。
目次
  1. AI導入費用は、何を入れるかで変わる
  2. AI導入費用の相場を見るときの注意
  3. 既製のツールを入れる会社が払う4つの費用
  4. AI導入のコストを抑える方法:補助金はツール、助成金は研修
  5. 費用対効果の考え方
  6. よくある質問
  7. 参考資料・注意事項

生成AIの導入予算を組む経営者、経営企画、情報システムの担当の方に向けて、稟議の前に総額を出すための分け方を整理します。開発を伴わず、ChatGPTやCopilotのような既製のツールを社員に使ってもらう会社を主な対象にしています。

AI導入費用は、何を入れるかで変わる

AI導入費用を調べると、記事によって桁の違う数字が出てきます。差が大きいのは、導入の形が3つあり、形ごとに費用の出方が違うからです。

既製ツール

ChatGPT、Microsoft 365 Copilot、Gemini、Claudeのように、契約すればすぐ使えるツールです。費用は利用者1人あたりの月額で、人数に比例します。初期の開発費はかかりません。文書の作成、要約、メール、調べものといった業務は、この形で始められます。

API連携

自社のシステムや業務ツールから、AIを呼び出して使う形です。問い合わせ対応の下書きを業務システムの画面に出す、といった使い方が当たります。連携を作る費用のほかに、AIを呼び出した量に応じた料金が続きます。

個別開発

自社のデータを学習させたり、専用の仕組みを一から作ったりする形です。要件の整理、開発、検証、運用の費用がかかり、金額は要件で大きく変わります。

API連携と個別開発の金額は、要件ごとの見積で決まるので、この記事では金額の幅を示していません。開発会社の見積もりは、同じ要件で複数の会社から取って比べてください。

AI導入費用の相場を見るときの注意

AI導入費用の相場として紹介されている数字を見るときは、3つの点を確かめます。

相場の数字を、そのまま稟議に書かない

稟議に書く数字は、ツールなら公式の料金ページ、研修や顧問なら見積書の金額にします。記事で見た相場は、見積もりが大きく外れていないかを確かめる目安にとどめます。

既製のツールを入れる会社が払う4つの費用

既製のツールを入れる会社の総額は、ツール代だけでは決まりません。社員に使ってもらうための費用と、社内の人が使う時間が加わります。4つの箱に分けると、見落としが減ります。

図1 総額は、4つの箱の積み上げで決まる

箱1
ツール代
決まり方1人あたりの月額×人数×月数
出方毎月か毎年、続く
箱2
研修費
決まり方1回あたりの額×回数
出方導入の時期に、まとまって出る
箱3
顧問・伴走の費用
決まり方月額×続ける月数
出方頼む期間だけ出る
箱4
社内の工数
決まり方かかる時間×人数
出方請求書に出ない

見積書に載るのは箱1から箱3までで、箱4は社内で数えないと総額に入りません。

ツール代(生成AIのコスト。公式の料金、確認日つき)

生成AIのコストのうち、いちばん見えやすいのがツール代です。主なツールの法人向けプランの料金を、各社の公式ページで確かめました。

表1 主な生成AIツールの法人向け料金(2026年10月1日に各社の公式ページで確認)

ツールプラン1人あたりの月額条件
ChatGPTBusiness(標準シート)年額課金で3,050円、月額課金で3,850円(税の扱いは料金ページに記載なし)2名から。Enterpriseは問い合わせ
Microsoft 365 CopilotCopilot Business(アドオン)年払いで3,148円相当、月払いで3,778円(税別)対象のMicrosoft 365プランが別に必要
Gemini(Google Workspace)Business Standard年契約で1,600円(税別)GmailやドキュメントなどでGeminiのAI機能が使える。Enterpriseは問い合わせ
ClaudeTeam(標準シート)年払いで20ドル、月払いで25ドル(米ドル建て)2名から150名まで

金額は公式ページに表示された額で、期間限定の割引が出ていたもの(Microsoft 365 CopilotとGoogle Workspace)は、通常の額を載せています。料金とプランの名前は改定されることがあるので、契約の前に公式ページで確かめてください。

全員に有料のプランを配る必要はありません。業務で毎日使う人から契約し、使われ方を見て広げると、使われないライセンスを減らせます。法人向けの契約の選び方は、ChatGPTの法人契約とアカウントの考え方で扱っています。

研修費

ツールを配っただけでは、使う社員は限られます。研修費は、社員が自分の業務で使えるようになるための費用です。1回あたりの固定額で示されることが多く、人数の上限、時間、演習を自社の業務に合わせるかどうかで変わります。

ノセカエの場合、経営層向けセミナー(90分)が15万円、半日研修(3時間・最大20名)が40万円、1日研修(6時間・最大20名)が60万円、助成金対応プラン(2日間・計10時間から)が98万円です(いずれも税別)。他社を含めた費用の見方はChatGPT研修の費用相場に、見積書の読み方は研修の見積書の内訳にまとめています。

顧問・伴走の費用

研修のあと、社内に進める人がいない会社は、外部の顧問に伴走を頼むことがあります。費用は月額で、定例の打ち合わせの回数と、相談に応じる範囲で決まります。ノセカエのAI顧問は、月2回の定例、チャットでの相談、社内展開の伴走で、月20万円から(税別)です。

顧問の費用は、続ける月数で総額が決まります。契約の前に、何か月で何ができていれば終えるのかを決めておくと、予算が膨らみにくくなります。研修、顧問、コンサル、開発の違いはAI導入支援で頼めることで整理しました。

社内の工数

請求書に出ないのが、社内の工数です。主なものは次の4つです。

工数は時間で数え、必要なら社内の時間あたりの人件費を掛けて金額にします。ここを数えないと、費用対効果の計算で費用が小さく出すぎます。

表2 見積もりの例:20名の部署が、既製のツールを1年使う場合

箱前提計算額
ツール代ChatGPT Businessの標準シートを20名、年額課金3,050円×20名×12か月73万2,000円(税の扱いは料金ページに記載なし)
研修費ノセカエの半日研修を1回40万円×1回40万円(税別)
顧問・伴走の費用頼まない場合―0円
社内の工数研修の受講が20名×3時間。担当者の時間は別に数える3時間×20名60時間と、担当者の時間

この例は、公式の料金と当社の料金表を当てはめた計算です。AI顧問を3か月頼む場合は、20万円×3か月で60万円から(税別)が加わります。

AI導入のコストを抑える方法:補助金はツール、助成金は研修

AI導入のコストを抑える方法は、制度を使うことと、払い方を工夫することの2つです。制度は、費用の箱ごとに使えるものが違います。

図2 補助金と助成金は、効く箱が違う

費用の箱候補になる制度所管主な条件
ツール代デジタル化・AI導入補助金中小企業庁・事務局事務局に登録されたITツールが対象。汎用のツールだけでは申請できない
研修費人材開発支援助成金厚生労働省実訓練時間10時間以上。研修の前に計画届が要る。補助金の側で対象になるのは、登録されたツールの導入研修
顧問・伴走の費用デジタル化・AI導入補助金(役務)中小企業庁・事務局登録されたソフトウェアとあわせて申請する導入・活用のコンサルティングが対象。ソフトウェアの申請が必須で、単独の顧問契約は対象外
社内の工数人材開発支援助成金の賃金助成厚生労働省研修を受けている時間の賃金の一部が対象

ツールは補助金、研修は助成金で見て、同じ費用を2つの制度に出さないようにします。

デジタル化・AI導入補助金2026「通常枠」、厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内」令和8年8月3日版をもとに作成

デジタル化・AI導入補助金の通常枠は、補助率が2分の1以内(条件を満たすと3分の2以内)、補助額が5万円以上450万円以下です。対象は事務局に登録されたITツールなので、契約したいツールが登録されているかを先に確かめます。制度の全体は生成AIの導入に使える補助金にまとめています。

研修の費用は、人材開発支援助成金の対象となる可能性があります。事業展開等リスキリング支援コースの場合、中小企業の経費助成率は75%です。条件と期限はAI研修の助成金で整理しました。どちらの制度も後払いで、採択や支給は審査により異なります。

制度のほかに、払い方で抑える方法もあります。

費用対効果の考え方

費用対効果は、4つの箱の総額と、削減できた時間を比べて見ます。効果の側は、対象の業務について、導入の前と後で作業時間を測って確かめます。議事録の作成に1回何分かかっていたか、月に何回あるかを先に記録しておけば、導入後の時間と比べられます。

注意したいのは、時間が減っても、そのまま人件費が減るわけではないことです。減った時間を何に使うのかを決めていないと、効果は数字に表れません。削減できた時間を、後回しになっていた業務や顧客への対応に充てる、といった使い道まで稟議に書くと、判断しやすくなります。

AIが作ったものを人が確かめる時間も、費用の側に入れます。確認を省くと誤りが外に出るリスクがあり、確認に時間をかけすぎると効果が消えます。どの作業をどこまで確かめるかは、現場と一緒に決めます。測り方の詳しい手順は生成AI研修の費用対効果で扱っています。

この記事のまとめ

  • 費用は導入の形で変わる。既製ツール、API連携、個別開発のどれかを先に決める。
  • 既製のツールを入れる会社は、ツール代、研修費、顧問・伴走の費用、社内の工数の4つで見積もる。
  • 稟議の数字は、公式の料金ページと見積書から取る。
  • 補助金はツール、助成金は研修に効く。どちらも後払いで、審査がある。

よくある質問

AI導入費用は、最低いくらから始められますか

既製のツールなら、利用者1人あたり月額数千円のツール代から始められます。たとえばChatGPT Businessの標準シートは、年額課金で1人あたり月3,050円、2名から契約できます(2026年10月1日に公式ページで確認。税の扱いは料金ページに記載なし)。研修や顧問を付けるかどうかで、総額が変わります。

ツール代のほかに、何がかかりますか

社員が使えるようになるための研修費、研修のあとの顧問・伴走の費用、社内の工数の3つです。社内の工数は請求書に出ないので、研修を受ける時間と担当者の時間を、自社で数えて加えます。

補助金で、ChatGPTの料金は出ますか

デジタル化・AI導入補助金の対象は、事務局に登録されたITツールです。通常枠では、業務プロセスを持つソフトウェアの申請が必須で、汎用のツールだけでは申請できないとされています。使いたいツールが登録されているかを、事務局のページで確かめてください。

開発を頼む場合の費用は、どう見ればよいですか

作る費用のほかに、運用と保守の費用、AIを呼び出した量に応じた料金が続きます。金額は要件で変わるため、同じ要件で複数の会社から見積もりを取り、作ったあとの月額まで比べます。

参考資料・注意事項

  • OpenAI「ChatGPT 料金」
    https://chatgpt.com/ja-JP/pricing/
  • Microsoft「Microsoft 365 Copilot のプランと価格」
    https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/pricing
  • Google「Google Workspace の料金プラン」
    https://workspace.google.com/intl/ja/pricing
  • Anthropic「Claude Pricing」
    https://claude.com/pricing
  • デジタル化・AI導入補助金2026「通常枠」
    https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/
  • 厚生労働省「令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和8年8月3日版)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf

最終確認:2026年10月1日。ツールの料金は各社の公式ページの表示額で、改定されることがあります。見積もりの例は計算の方法を示すもので、貴社の費用を示すものではありません。補助金・助成金の採択や支給を保証するものでもありません。

導入にかかる費用の考え方を、30分の無料相談でご相談いただけます。

対象の人数と業務をうかがい、研修の回数と、AI顧問が要るかどうかを、30分の無料相談で確認します。

自社のどの業務にAIが使えるか相談する →

お電話でのご相談:03-6820-2744(平日10:00〜18:00)

浅香 祐輔

この記事を書いた人

浅香 祐輔(Never Red株式会社 代表取締役)

大手コンサルティングファーム(アクセンチュア/アビーム)出身。DX・業務改革・SAP導入が専門で、50名超のチームでPMを担当。法人向け生成AI研修「ノセカエ」の講師を務める。

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