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生成AI研修の相見積が比べられないのは、何を数えているからか

生成AI研修の相見積が比べられないのは、何を数えているからか
目次
  1. 1|同じ「30名・半日」でも見積書が別物になる理由
  2. 2|研修費は講師料・教材費・運営費の3費目に割れる
  3. 3|3社の見積書を同じ形に並べ直す比較表
  4. 4|見積書に載らない第4の費目(受講者と事務局の時間)
  5. 5|相見積を頼む前に伝えておく5項目
  6. 6|助成金を使う場合は、書類の対応も比べる
  7. ノセカエの見積書の出し方
  8. まとめ
  9. 注意事項

研修会社3社から見積書を取り、並べたところで手が止まる。金額はそれぞれ違うのに、どれが高いのか安いのかが判断できない。その結果、最も安い1社か、説明が最も上手だった1社に決まってしまうことがあります。

比べられない原因は、読み方ではなく、各社が数えている単位がそもそも違うことにあります。1名あたり、1回あたり、1日あたり、年間の伴走契約。単位が違う見積書を並べても比較にはなりません。

この記事では、見積書を貴社の人数・回数で計算し直し、講師料・教材費・運営費の3費目に割り直して並べる手順を説明します。当社の見積書も、同じ手順で分解できます。

この記事は「複数社の見積書を、同じ形に組み直して比べる」手順に絞っています。研修の形態ごとのおおよその費用感はChatGPT研修の費用相場と、半日・1日・顧問型の違い、研修内容の見極め方は法人向けAI研修の選び方で扱っています。

1|同じ「30名・半日」でも見積書が別物になる理由

研修の見積書が揃わない理由は、金額の手前にあります。4つの単位が混在しているためです。

単位見積の書かれ方人数が増えると回数が増えると
1名あたり受講者数×単価比例して増える比例して増える
1回あたり(定員制)1開催いくら・定員○名まで定員までは変わらない比例して増える
1日あたり(講師派遣)講師の稼働日数×日額ほぼ変わらない比例して増える
年間契約(伴走)月額または年額の一式契約人数の枠次第回数は枠の中

ここで典型的な逆転が起きます。受講者が少ないときは1回あたりの見積書が割高に見え、多いときは1名あたりの見積書が割高になります。貴社の人数を入れると順位が入れ替わることもあります。比較の第一歩は値引き交渉ではなく、すべての見積書を「貴社の実際の人数・回数」で計算し直すことです。

この計算をすると、人数の前提が貴社と合わない会社が候補から外れることもあります。

定員制の見積書では、定員の数そのものより、その人数で実習が何分残るかを確かめてください。人数が増えると、見積書の時間はそのままで実習だけが削られていきます。削られ方は1回の研修に何人まで入れるかで扱っています。

2|研修費は講師料・教材費・運営費の3費目に割れる

単位を揃えたら、次は中身を割ります。どれだけ複雑に見える見積でも、研修の原価は講師料・教材費・運営費の3つに収まります。それぞれ、何が動くと増えるのかが違います。

(1)講師料|動くのは「時間」と「事前の作り込み」

当日の登壇時間だけで決まると思われがちですが、金額を大きく動かすのは事前の作り込みの量です。汎用の教材をそのまま使うのか、貴社の業務を題材に演習を組み直すのか。後者は当日の時間が同じでも、講師側の工数が大きく増えます。

見積書を見るときは「講師料が高い/安い」ではなく、その金額に事前ヒアリングと演習のカスタマイズが入っているかを聞いてください。入っていない見積書が安いのは当然です。

(2)教材費|動くのは「作るか」ではなく「あとで使えるか」

教材費で差が出やすいのは、当日配るスライドの厚さではありません。終わったあとに、その教材を社内で使い回せるかどうかです。

この4段階は、金額に直結します。安く見えた見積書が、実は一番上の段階だったということもあります。3年使う前提なら、教材の権利は費用そのものです。生成AIの研修は特に、モデルや画面が変わると内容が古くなります。改訂が誰の負担かも、あわせて確認してください。発注前に決めておく条件は研修の教材を社内で使い回せるか(再利用・更新・再受講)で整理しています。

(3)運営費|動くのは「事務局の作業が、どちらに寄っているか」

最も見えにくいのがここです。運営費とは、案内メールの配信、出欠管理、当日の受付、アンケートの回収と集計、修了者の名簿作成といった作業のことです。この作業は、消えるのではなく、どちらかがやります。

研修会社の見積書に運営費が計上されていなければ、その作業は貴社の人事総務が担うことになります。見積書の金額は下がりますが、社内の工数は増えます。ここを費用として認識しないまま比較すると、「安い見積を選んだのに、担当者が忙しくなった」という結果になります。

3|3社の見積書を同じ形に並べ直す比較表

作業は、各社の見積書を3費目+前提条件の表に書き写すだけです。金額が合計1本しか出ていない場合は、内訳を出してもらってください。出せるかどうかも、判断材料になります。

確認する項目A社B社C社
単位(1名/1回/1日/年間)   
自社の人数・回数で計算した総額   
講師料に事前ヒアリングが含まれるか   
演習は自社業務を題材にできるか   
教材の権利(4段階のどれか)   
改訂の負担(誰が・いつまで)   
運営(出欠・受付・アンケート)はどちらが   
欠席者・中途入社者の再受講   
研修後の質問対応(期間・手段)   
交通費・会場費・機材が別か込みか   

この10行が埋まると、金額の差が説明できるようになります。差の理由が説明できない見積書は、高いのではなく、比べられていないだけです。この表を埋める過程で、自社の要件そのものが固まることもあります。

金額の比較が終わったら、同じ見積書で延期・中止のときの条件も確かめておきます。いつから費用が発生するか、人数が減ったときにどう扱うかは金額欄に出てこないため、研修を延期・中止したときのキャンセル料と最低人数の確かめ方に聞き方をまとめました。

4|見積書に載らない第4の費目(受講者と事務局の時間)

3費目のほかに、どの見積書にも載らない費用があります。受講者と事務局の人件費です。

30名が半日集まれば、その時間は他の仕事をしていません。外部への支払だけを見ていても、実際に会社が投じている費用はそれより大きくなります(金額は自社の人件費で計算してください)。これは研修を否定する話ではなく、比較の対象が変わるという話です。外部への支払の差が小さいなら、選ぶ基準は金額ではなく、受講者の時間を無駄にしないほうになります。

研修の時間そのものが取れない場合は分割研修と連続研修の違い、効果を金額で見積もる方法は生成AI研修のROIの試算で扱っています。

5|相見積を頼む前に伝えておく5項目

比べられない見積書が返ってくる原因の一部は、依頼の仕方にあります。次の5つを先に伝えると、各社が同じ前提で出してきます。

  1. 受講者数と、その内訳。全社か選抜か、職種の構成、AIを使ったことがある人の割合。人数だけでなく、レベルの幅を伝えてください。
  2. 回数と時期。1回で終わらせるのか、分けるのか。期末や繁忙期を外す必要があるか。
  3. 実施の形。集合か、オンラインか、録画か。会場は自社か先方か。
  4. 使うツールと、アカウントの用意者。ここが決まっていないと当日に止まります。決め方は研修の前に決めるアカウントと契約をご覧ください。
  5. 終わったあとに、何が残っていてほしいか。教材か、社内ルールのひな形か、推進役の人か。ここを書くだけで、見積書の中身が変わります。

特に効くのは5番目です。「何が残っていてほしいか」を書かない依頼には、当日を無事に終えるための見積書が返ってきやすくなります。研修で何を身につけるべきかを整理したい場合は、生成AI研修とは何かを先にご覧ください。

6|助成金を使う場合は、書類の対応も比べる

研修費の一部について、国の助成金が対象になる場合があります。受給を保証するものではなく、要件・手続は制度ごとに定められており、実施前の計画届など順序の決まりがあります(人材開発支援助成金とは)。

比較の観点では、助成金を使う場合、研修会社が出す書類への対応が費用に効いてきます。カリキュラムの様式、受講記録、修了の証明。これらを出せる会社と出せない会社があり、社内で作るなら事務局の工数になります。見積書の金額が同じでも、ここで差が出ます。

ノセカエの見積書の出し方

まとめ

相見積が比べられないのは、各社が数えている単位が違うためです。まずすべての見積書を自社の人数と回数で計算し直し、講師料・教材費・運営費の3費目に割り直してください。そのうえで、見積書に載らない受講者と事務局の時間も含めて比べると、金額の差の理由が見えてきます。

注意事項

費用の構成は研修会社ごとに異なります。助成金は対象となる場合がありますが受給を保証するものではなく、要件・手続・提出期限は制度ごとに定められています。適用の可否は管轄の労働局または社会保険労務士にご確認ください。申請書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務であり、当社では行いません。

見積書のどこを見れば、費用の中身が分かるか。

見積書の読み方(単位・教材の権利・運営の分担)を、30分の無料相談でご相談いただけます。当社が合わないと判断した場合は、そうお伝えします。

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お電話でのご相談:03-6820-2744(平日10:00〜18:00)

浅香 祐輔

この記事を書いた人

浅香 祐輔(Never Red株式会社 代表取締役)

大手コンサルティングファーム(アクセンチュア/アビーム)出身。DX・業務改革・SAP導入が専門で、50名超のチームでPMを担当。法人向け生成AI研修「ノセカエ」の講師を務める。

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